屋根材ガルバリウム鋼板について解説
2024/08/08
最近、人気のあるガルバリウム鋼板屋根は、メンテナンスフリーという理由で業者に勧められることが多いです。屋根材を選ぶ際には、その特徴やメリット・デメリットを良く理解することが重要です。
この記事では、ガルバリウム鋼板屋根がどのようなものなのかやメリットやデメリットについて詳しく説明します。他の屋根材との比較も行い、ガルバリウム鋼板屋根をご検討中の方にとって参考になる内容となっていますので、ぜひご一読ください。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴
ガルバリウム鋼板は、めっき鋼板のうちの1種です。これまでおなじみの「トタン」「ぶりき」などと同じカテゴリーに属します。正式な分類名称は、溶融55％アルミニウム－亜鉛合金めっき鋼板です。
アルミニウムの耐食性、加工性、耐熱性と亜鉛の犠牲防食機能により、めっき鋼板はトタンよりも約3倍の耐久性を持っています。
ガルバリウム鋼板屋根のメリット
ここではガルバリウム鋼板屋根のメリットを解説していきます。
サビに強い
トタン屋根は赤サビが起こりやすく、約5年に1度の頻度で塗装する必要があったため、メンテナンスが手間がかかっていました。 ガルバリウム鋼板は赤錆びが発生しにくいので、トタン屋根と比べて大きな利点があります。
耐久性が高い
トタン屋根とガルバリウム鋼板屋根の違いは、その材料の耐久性にあります。ガルバリウム鋼板は、耐久性が高い素材であるため、長期間にわたって屋根を保護してくれると言えます。
一方、トタン屋根は比較的劣化しやすく、定期的な塗装メンテナンスが必要とされています。ガルバリウム鋼板屋根を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。屋根の汚れや錆びを早めに落とし、定期的に塗装を行うことが重要です。
塗装メンテナンスまでの期間が長いからといって、メンテナンスを怠ることは避けたいポイントです。屋根の健康を保つために、適切なケアを行うことが大切です。
軽い
金属屋根は、その中でもガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板などが一般的に使用されています。この金属屋根は、他の屋根材に比べてもっとも軽いと言われており、約5㎏/㎡という軽さが特徴です。
また、この軽さから、既存の屋根材の上に新しい金属屋根を重ねるカバー工法が利用されることもあります。耐久性や耐水性にも優れているため、長期間安心して使用することができるでしょう。
デザイン性が高い
屋根のデザインには、立平葺きや折板葺きなどの縦葺きがあります。これらの屋根は、緩い勾配（5/100以上）でも対応可能です。縦葺きの屋根は、直線的な印象からアール状の屋根まで、幅広いデザインに対応しています。
そのため、建物の外観を自由に演出することができるでしょう。また、縦葺きの屋根は耐久性にも優れており、長期間にわたって美しい外観を保つことができます。屋根のデザインだけでなく、耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮すると、縦葺きの屋根は優れた選択肢と言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板屋根のデメリット
ここからはガルバリウム鋼板屋根のデメリットについて紹介していきます。
初期費用が高価
ガルバリウム鋼板屋根の費用は、スレート屋根と比較すると高価になっています。これは、ガルバリウム鋼板が高品質で耐久性に優れているためです。一方、スレート屋根は比較的手頃な価格であることが多いです。
ただし、ガルバリウム鋼板の種類によっては、瓦屋根と同等かそれより高い価格設定となることもあります。瓦屋根は伝統的で美しい外観を持ち、高級感がありますが、その分価格も高くなる傾向があるでしょう。
ガルバリウム鋼板はメンテナンスが比較的簡単で、耐久性が高いため、長期的に見るとコストパフォーマンスが高いと言えます。
メンテナンス費用が高い
ガルバリウム鋼板屋根にかかる維持費用は、瓦屋根よりも高額になります。ガルバリウム鋼板屋根は、定期的な塗装メンテナンスが必要です。また、ガルバリウム鋼板屋根の場合、表面の仕上げが白亜化（チョーキング）すると、10年から塗り替えが必要となるでしょう。
音がうるさい
ガルバリウム鋼板屋根は、トタン屋根と同様に金属でできているため、雨音がうるさいと感じられることがあります。施工後の対策は煩雑であるため、音や睡眠に敏感な方は、ガルバリウム鋼板屋根への葺き替えを検討してみることをおすすめします。
強風で飛散しやすい
ガルバリウム鋼板などは、大きな面積を持つ長尺の屋根材であり、他の屋根材よりも1枚あたりの耐風性が必要とされます。新築時の耐風性があっても、野地板の劣化により、ガルバリウム鋼板屋根を固定しているビスやくぎの保持力が低下し、大型台風で飛散する危険性が考えられるでしょう。
ガルバリウム鋼板屋根が飛散すると、周囲に大きな被害をもたらす可能性があるため、注意が必要です。
保証のハードルが高い
保証が十分に提示されているガルバリウム鋼板の屋根材が存在します。多くの場合、サビや穴あきに対する保証期間は10〜20年です。ただし、実際に保証を受けるには、免責事項が詳細に記載されており、ハードルがかなり高くなっています。
屋根瓦やスレートと比較して、保証期間が長いため、安心感があるかもしれませんが、保証の有無を評価する際には免責事項をよく確認しましょう。
ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス
ここではガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスについて解説していきます。
定期的に水をかける
ガルバリウム鋼板は、塩分やほこりなどが付着することで錆びが生じるため、年に数回程度、水をかけることで効果的に保護することができます。水をかける際には、水道水を使って表面の汚れを流すよう心がけましょう。
さらに、小動物（例：鳥など）の排泄物が付着した状態で放置すると、錆びが進行する可能性があるため、こまめに洗い流すことが重要です。
塗り替え
ガルバリウム鋼板屋根に植物のコケや色あせ・錆などが見られる場合は、塗り直しをお勧めします。サビやその他の劣化が確認される際には、塗膜だけでなく、めっき層も劣化している可能性があるため、早めの塗装が必要です。
劣化を放置すると問題が拡大します。建物塗装のおおよその費用は、40～80万円程度を考えておきましょう。
カバー工法
ガルバリウム鋼板屋根の錆びが進行していたり、雨漏りしていたりする場合、塗り替えではなく、カバー工法によるメンテナンスが適しています。屋根材の形状に応じて、新しい屋根材の上にカバーする方法と、新しい野地合板を使用し、その上に新たにガルバリウム鋼板屋根を施工する方法があるでしょう。
カバー工法は、既存の野地合板が劣化していない場合に適用されます。カバー工法の費用相場は、約80～200万円程度と考えられるでしょう。
葺き替え
現存の屋根材を取り外し、新しい屋根材に交換する作業を行うのが葺き替えです。ガルバリウム鋼板屋根が錆びて進行しているか、雨漏りしている場合には、修理ではなく葺き替えによるメンテナンスが必要です。
特に、既存の野地合板が劣化している場合には、葺き替えがおすすめです。葺き替え工事の費用の目安は、100～240万円程度と考えてください。
まとめ
ガルバリウム鋼板屋根は金属屋根材の一種であり、軽量でサビに強い特徴から、近年注目を集めています。この記事では、ガルバリウム鋼板屋根の特性や利点、欠点についてご紹介しました。
屋根を新しくする必要がある方は、屋根の交換は費用が高額であり、長期の関係性になるため、雨漏りなどの問題に気をつけながら信頼できる専門業者に依頼することをおすすめします。
