屋根の「棟板金」とは?役割や雨漏りにつながる原因を解説
2023/06/26
「棟板金はそもそもどこにあるの?」
「屋根の棟板金はどんな役割?」
「棟板金からなぜ雨漏りが起きるの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
屋根材や外壁材、瓦などはどこの部分かイメージが付きますが、棟板金といわれてもどこにあるのか、棟板金がどんな役割をしているかなんてよくわかりませんよね。
棟板金(むねばんきん)は、屋根の頂上にある屋根材です。頂上に位置する屋根材と屋根材が重なる部分には隙間ができてしまいます。屋根材の隙間を埋め、隙間から雨水が入らないようにする役割が棟板金です。
棟板金は屋根材の隙間を埋める役割がありますが、雨の影響を受けやすい場所でもあるため、雨漏りが発生しやすい場所でもあります。
そこで今回は、棟板金の役割や雨漏りにつながる原因について詳しく解説します。また、棟板金から雨漏りを防ぐ対策についても紹介していきます。
この記事を読むことで、棟板金から発生する雨漏りを最小限にできますので、棟板金からの雨漏り対策を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
棟板金とは屋根の頂上にある屋根材
棟板金(むねばんきん)とは、屋根の頂上にある屋根材のことです。棟板金の役割や特徴について解説します。
棟板金の役割
棟板金の役割としては、建物を雨漏りから守ることです。
屋根は室内側から下地材、防水シート、屋根材の順で構成されています。
屋根材を敷き詰めていくと、屋根材の面と面が重なったときには、頂上部分に隙間ができてしまいます。その頂上部分の隙間を埋める役割をしているのが棟板金です。棟板金は隙間を埋めるだけでなく、屋根から雨水が入らないようにする雨仕舞(あめじまい)の役割もあります。
雨仕舞とは、製品の構造や設置・固定の仕組みを指し、防水機能に加え、雨水を屋根の下にある雨樋(あまとい)や、地面などに流す機能をしています。棟板金などの板金と呼ばれるものは、雨水が溜まりやすい屋根の弱点部分に付けられることが多いです。
棟板金が経年劣化や、サビや凹みによって穴が開くなどの不具合で雨漏りにつながります。棟板金は屋根の頂上にあるため、台風などの強風の影響を受けやすく、はがれたり飛ばされたりするなどの不具合がよく発生します。
屋根の板金は目立たない部分に使われているため、歪みや固定ネジの抜けなどは日常的になかなか気づきにくいです。そのため、ある日突然、天井裏にでてくる雨染みなどの雨漏りの症状に気づくことになります。
棟板金の特徴
棟板金は、貫板(ぬきいた)と呼ばれる木材と、木材と板金を固定するクギ、板金の3つのパーツで構成されています。板金はスレート屋根や金属屋根では棟板金と呼ばれ、瓦屋根では棟瓦(むねがわら)と呼ばれています。
板金は、昔の戸建て住宅ではサビが発生しやすいトタンが利用されており、耐久年数は10年程度と短いものでした。現在はトタンよりサビに強く、強度もあるガルバリウム鋼板が使われるようになり、耐久性も20年、30年と長くなっています。
棟板金から雨漏りにつながる原因
ここでは、棟板金から雨漏りにつながる原因について解説します。どのような状態から雨漏りにつながるかを理解し、適切な対処をすることで雨漏りを最小限に食い止めることができますので、しっかりと理解しておきましょう。
棟板金自体の浮きやはがれ
棟板金の浮きやはがれは主に2つの原因が考えられます。
棟板金は屋根の頂上に設置されます。紫外線による熱によって膨張と収縮が繰り返されます。膨張・収縮が繰り返されることで、屋根材との間に隙間が生じ、雨水が入り込むことで雨漏りにつながることがあります。
2つ目は、台風や突風などの自然災害による強風での飛来物で傷つけられる場合です。
棟板金は屋根材に比べると軽量に作られています。強風による飛来物が当たることで、棟板金に歪みやズレが生じたり、浮いてめくれてしまうこともあります。
そうなると、隙間から雨水が侵入したり、めくれて下地材に雨水があたり劣化することで、雨漏りにつながるのです。棟板金の浮きが数ミリであればそこまで問題ありませんが、数センチや中の貫板が見えるようであれば早急に修理が必要です。
棟板金のクギの浮きや抜け
棟板金は貫板と呼ばれる木材の下地材にクギで固定していますが、このクギの浮きや抜けてしまうことで、抜けた穴から雨漏りにつながることがあります。
この場合、すぐに雨漏りにつながることはありませんが、穴から雨水が浸入し下地材の貫板に染み込みます。貫板は木材のため長時間水を吸うことで腐ってしまい、建物内に雨水が入り込むことになるのです。
棟板金のコーキングの劣化
棟板金は、屋根の形状によっては複数の棟板金を結合します。結合に使われるのがコーキング剤です。コーキング剤は5〜10年程度で弾力性が失われ、硬くなりひび割れを起こします。
ひび割れた箇所から雨水が浸入することで、雨漏りにつながります。
屋根のメンテナンスの際は、屋根材やクギの他にもコーキングのメンテナンスも一緒に行うと安心です。
棟板金のサビ
棟板金に使用される材質は金属製です。棟板金には防水の役割である塗装がされており素材を守っています。塗装がはがれてしまうと、金属がむき出しとなり、年月によってサビが発生します。そのサビを放置してしまうと穴が開き、雨漏りにつながるのです。
最近では、サビに強いガルバリウム鋼板の素材が出ており、サビの保証も20年程度と長いです。しかし、海外に近い地域などでは塩害の被害もあるため、環境によって状況は異なります。サビは放置せずに定期的に再塗装するなど塗膜保護をする必要があります。
棟瓦のズレ
瓦屋根の棟板金は棟瓦(むねがわら)と呼びます。棟瓦も直線的に設置するため、棟瓦がズレることで漆喰との隙間から雨水が浸入し、雨漏りにつながる可能性があります。
放置すると棟瓦も崩れる恐れもあるため、ズレの状況にもよりますが、早めに対処することが必要です。
棟板金からの雨漏りを防ぐ方法
棟板金からの雨漏りは適切な対処をすることで、雨漏りによる被害を最小限にできます。自分でもできるメンテナンス方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自分でもできる確認の仕方
自分でもできる確認方法は以下の4つです。
- ・棟板金がめくれていないか、はがれていないかを目視でチェックする
- ・クギが抜け落ちていないかを確認する
- ・細長い板金が落ちていないかを確認する
- ・「ギーギー」「バタンバタン」などの異音がしていないか
上記を気にしてあげるだけでも、早期発見につながります。可能な限りスマートフォンなどの写真で証拠を残しておき、専門の業者に早急に対応してもらうようにしましょう。
ただし、屋根の上に登っての写真撮影は、落下の危険性があるため、地上から見える範囲にとどめておいてください。
棟板金のクギの補修
棟板金はクギで固定されている場合がほとんどです。年数が経過すると抜けてしまったり、外れてしまうことがあります。屋根材や棟板金自体にそれほど痛みがなければ、クギの増し打ちで補修する方法があります。
補修の際は、板金を固定しているクギをステンレス製のネジなどに交換することで、サビや緩みにも強くなり耐久性も高まるため、交換をおすすめします。
塗装メンテナンス
一般的に屋根の塗装が必要となるメンテナンス時期はおよそ10年です。10年程度を目安に再塗装を検討するとよいでしょう。
屋根に使われている塗料によって耐用年数は異なりますので、使用されている塗料に合わせたメンテナンスが必要です。屋根塗装のメンテナンスの際に、棟板金の状態やクギの抜けがないかも併せてチェックすると安心です。
棟板金を交換
棟板金がめくれてしまったり、穴が開く、サビの状態が酷いものであれば交換になります。棟板金自体に特に問題がないものでも10〜15年程度経過しているのであれば、交換時期になります。
交換の際は、サビに強く耐久性もあるガルバリウム鋼板に交換することも検討するとよいでしょう。
屋根全体をリフォームする
棟板金の他にも貫板である下地材や防水シートの痛みがある場合は、屋根全体をカバー工法や葺き替え工事でリフォームするのもひとつです。すでに雨漏りの症状が出ているのであれば、屋根全体を交換することで雨漏りの解決にもなります。
屋根のリフォームには高額な費用がかかりますが、火災保険が使える場合もあります。経年劣化では使えませんが、台風や突風などの強風が原因で破損しているのであれば、火災保険が適用になる可能性もあります。
ご自身が加入されている保険の内容を確認してみましょう。適用になるか不安であれば保険会社に確認してみると安心です。
まとめ:屋根の棟板金修理は伊藤工芸へ!
棟板金は屋根の頂上にある屋根材で、屋根材同士の隙間を埋める役割や、隙間から雨水を浸入させない役割があります。
しかし、台風などの強風や飛来物で浮いてしまったり、はがれてしまうことがあります。そのような状態になると、隙間から雨水が浸入し雨漏りにつながります。
棟板金は雨漏りの原因となりやすい場所のため、クギの抜けがないかを確認したり、浮きやはがれてしまったら、ガルバリウム鋼板など強度のある棟板金へ交換をするなどの対策をする必要があります。
雨漏りにつながる原因はさまざまです。どう対応したらよいか不安になる場合もあるでしょう。そんなときは伊藤工芸にお任せください。
伊藤工芸は、雨漏り調査や屋根修理の専門業者です。お客様の症状に合わせた最適な提案を提供しておりますので、浜松周辺で雨漏りや屋根の修理でお悩みの方は、ぜひ一度伊藤工芸にご相談ください。