陸屋根は雨漏りしやすい?よくある原因と適切な修理方法
2025/03/27
陸屋根(ろくやね)は、ほぼ水平な構造を持つ屋根のタイプです。主にビルやマンション、工場、倉庫などの建築物に採用される形状ですが、水はけの悪さから雨漏りが生じやすい特徴があります。
この記事では、陸屋根における雨漏りの発生原因と対処法を解説していきます。また、予防のためのメンテナンス方法もご紹介しますので、建物の管理にお役立てください。
陸屋根の雨漏りが起こる主な原因
①防水層の劣化
陸屋根において、防水層は雨水から建物を保護する要となる部分です。この防水層が劣化すると雨漏りを引き起こし、建物の構造にまで影響を及ぼす可能性があります。
防水層の劣化要因は主に3点あります。1点目は経年変化による自然劣化です。特に注意が必要なのは、季節による温度変化で発生するひび割れです。このひび割れから雨水が侵入すると、建物の骨組みにまで損傷が及ぶ可能性があります。
2点目は外部環境の影響です。平坦な屋根構造では排水が不十分になりがちで、常時水分にさらされることで劣化が加速します。さらに、太陽光の紫外線により防水材が劣化していきます。特に塩ビシートやウレタン防水は紫外線の影響を受けやすいため、保護層の施工が不可欠です。
3点目は施工上の不具合です。防水層の厚さ不足や接着不良、継ぎ目の処理ミスなどにより、想定より早期に劣化が始まることがあります。これらの問題は施工直後には発見が難しく、数年後に症状が現れることも少なくありません。
防水層の寿命と特徴
防水工法 | 寿命の目安 |
---|---|
ウレタン防水 | 10〜15年 |
FRP防水 | 10〜20年 |
シート防水(塩ビ・ゴム) | 15〜20年 |
アスファルト防水 | 15〜25年 |
各防水工法には上記のような寿命が想定されていますが、これは理想的な環境での期待値です。実際には、日常的なメンテナンスが不足すると、予想以上に早く劣化することがあります。防水層に損傷が見つかった場合は、直ちに対処することをお勧めします。また、5年周期での専門家による点検と、必要に応じたトップコートの塗り替えが推奨されます。
②排水機能の不具合
陸屋根は平らな構造のため、排水システムに問題が生じると深刻な影響を及ぼします。特に排水口の機能が低下すると、屋根面に水たまりが発生し、防水層に余分な負担がかかってしまいます。
排水の問題には主に3つの要因があります。まず、自然由来の異物(落葉、土砂など)が排水口を塞ぐケース。次に、設計段階での勾配不足により、雨水が適切に流れないケース。最後に、排水設備自体の経年劣化や破損によるケースです。
排水不良がもたらすリスク
排水機能の低下は、建物に様々な悪影響を及ぼします。滞留した雨水は防水層を痛め、微生物の繁殖を促進します。また、気温の変化で水が膨張・収縮を繰り返すことで、構造体にダメージを与える可能性があります。特に排水口周辺は要注意で、この部分の防水が破損すると、建物内部への雨水侵入を招く恐れがあります。
効果的な予防策
排水トラブルを防ぐには、定期的な点検と清掃が欠かせません。6ヶ月に1度は排水口の清掃を行い、落葉やゴミを除去しましょう。また、保護用のフィルターを取り付けることで、詰まりを予防できます。可能であれば、排水口を増やして排水能力を高めることも検討に値します。
陸屋根の雨漏り修理方法
防水工事による修理
陸屋根からの水漏れに対する根本的な解決策として、防水工事を実施することをお勧めします。
工法 | 特徴 | メリット | デメリット | 費用相場(/㎡) |
---|---|---|---|---|
ウレタン防水 | 特殊な液状素材を塗布して防水層を作成 | 複雑な形状の屋根でも施工可能 | 耐用年数が比較的短い(10〜15年) | 4,000〜7,000円 |
FRP防水 | 繊維強化プラスチックによる堅固な防水層 | 優れた耐久性と防水性能 | 衝撃で損傷しやすい | 5,000〜9,000円 |
シート防水(塩ビ・ゴム) | 専用シートによる防水層の形成 | 工期が短く、費用対効果が高い | 屋根の状態により施工制限あり | 3,000〜8,000円 |
ドレン清掃・排水設備の修繕
排水口の目詰まりは深刻な問題を引き起こします。水たまりができると防水層の劣化を加速させ、建物内部への浸水リスクが高まります。定期的な清掃が重要で、専門家は半年に一度のメンテナンスを推奨しています。
排水機能を改善するには、まずフィルター設置で異物の侵入を防ぎます。必要に応じて排水口を増設したり、予備排水システムとしてオーバーフローパイプを設けたりすることで、排水能力を強化できます。
屋上設備の防水処理
エアコン室外機や太陽光パネルなどの設置機器は、適切な防水処理が施されていないと漏水の原因となります。特に注意が必要なのは、固定具周りの隙間や配管貫通部からの水の侵入、また重量物による防水層への負担です。
予防策として、機器の設置面には必ず防水シートを敷設し、固定部分には入念なシーリング処理を実施します。設置後は定期的な点検を行い、不具合の早期発見と補修に努めることで、漏水を防止できます。
陸屋根の雨漏りを防ぐための日常のお手入れ
陸屋根は平らな形状のため、雨水が溜まりやすい特徴があります。日頃からのお手入れで雨漏りを防ぎ、建物を長持ちさせることができます。ここでは、効果的なお手入れの方法をご説明します。
定期点検のポイント
陸屋根を良い状態に保つには、継続的な点検が欠かせません。以下の重要なポイントを確認することで、問題の早期発見につながります。
防水層の状態確認
防水シートや防水材は年月とともに劣化し、ひび割れや剥がれが発生することがあります。防水機能を保つため、表面の状態を定期的に確認しましょう。
排水システムの管理
屋根の排水口は落ち葉などで詰まりやすく、水たまりの原因となります。水がたまったままだと防水層の寿命が短くなるため、こまめな清掃が大切です。
設備機器周辺の点検
屋上に設置してある機器(エアコン室外機など)の周りは、防水層が傷みやすい場所です。特に配管のつなぎ目や固定具の周りは、防水シールの劣化がないか注意深く確認しましょう。
【点検の目安】
・年に1回以上の定期点検を行いましょう
・台風や大雨の後は必ず点検をしましょう
・築10年を超えた建物は、専門家による点検をおすすめします
劣化を早めに見つけるためのチェックポイント
・防水層の表面に細かいひび割れはないか
・防水シートがめくれ上がっている箇所はないか
・屋根を押してみて、柔らかく沈む場所はないか
・防水塗装の色あせやはがれはないか
早めに補修をすることで、修理費用を抑えることができます。部分的な修理であれば、屋根全体を直すよりも費用を抑えられますし、雨漏りが起きる前に予防できます。定期的なお手入れをすることで、防水層も長持ちします。
傷んでいる箇所の直し方としては、小さなひび割れには防水塗料を塗り、シートのめくれにはシーリング材で処置するのが効果的です。ただし、劣化が進んでいるようでしたら、専門業者に診てもらうことをお勧めします。
専門家に相談したほうが良いとき
普段の点検や簡単な修理は自分でもできますが、以下のような症状が出たときは、専門家に相談することをお勧めします。
建物の中に水漏れの跡が見つかったとき
天井や壁にシミができているときは、防水の機能が大きく低下している可能性があります。そのまま放っておくと、カビが生えたり建物が傷んだりして、建物の構造に重大な影響が出てしまうことがあります。
防水の機能が明らかに低下しているとき
防水面に大きなひび割れがあったり、防水材がはがれかかっていたりする場合は、屋根全体の防水工事が必要になることがあります。特に築10年以上の建物では、防水材の寿命も考えて、専門家による点検を受けることをお勧めします。
水はけが悪くて水がたまるとき
屋上に雨水が長く残っているときは、排水の仕組みに問題があったり、屋根の傾斜が適切でなかったりする可能性があります。このまま対処しないでいると、防水層の劣化が早まり、深刻な水漏れにつながることがあります。
まとめ
陸屋根での雨漏りの主な原因は、防水層が年月とともに傷んでしまうこと、排水がうまくいかなくなること、工事の際の問題点などです。こうした問題を放っておくと、建物が弱くなってしまい、建物の中に水が入ってカビが生えるなど、深刻な被害につながる可能性があります。そのため、早めの修理と定期的なメンテナンスが大切になります。
防水層に小さなひび割れや剥がれが見つかったら、すぐに対処することで大がかりな工事を防ぐことができます。また、排水口は定期的に掃除をして、水はけを良好に保つことが重要です。新築や修理工事の後すぐに雨漏りが見つかった場合は、工事の品質に問題がある可能性があるので、専門家による確認をお勧めします。
屋上に水がたまっている、天井にシミができている、防水層の状態がおかしいと感じた場合は、早急な対応が必要です。
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