屋根材「パミール」とは?見分け方やメンテナンス方法を解説
2024/05/08
「業者から屋根がパミールなので修理しませんかと言われた」
「ベランダで屋根材の破片が落ちている」
このような経験はありませんか?
このような経験がある方のご住居にはパミールが使用されている可能性があります。
パミールが使用されている場合、お家の耐久性が急激に低下してしまいます。
そのため、できるだけ早急に屋根修理をすることがおすすめです。
そこで、今回はパミールに見られる不具合、見分け方、修理方法、業者の選び方についてご紹介します。
ご住居がパミールである場合、早期に対処することで修理費用を抑えることができます。
屋根材「パミール」とは
パミールとは1996〜2008年に国内最大手の外装建材メーカーニチハが製造していたスレート屋根材です。
発売当時は非常に人気でしたが、耐久性の観点からまたたく間に社会問題となり、現在は製造を停止しています。
アスベストが規制され始めた時代に、ノンアスベスト屋根材として製造されていました。
しかし、パミールを使用している多くの住宅の屋根は約7〜10年でひび割れや剥離などが発生します。
屋根材のひび割れや剥離は雨漏りの原因となり、住宅の寿命や人の健康に悪影響を及ぼしかねません。
そのため、早急な対策が必要です。
また、メーカー側は保証期間は2〜5年であるため、保証対象外であるとして製造責任を否定しています。
つまり、パミールによる経年劣化で家の修理をする際には自己負担となるのです。
パミールに見られる特徴的な2つの不具合
前章はパミールとはどんな屋根材なのかについてお伝えしました。
耐久性の面で社会問題となったパミールですが、どこが問題なのでしょうか。
結論からお伝えすると、パミールには主に以下の2つの不具合が見られます。
- 層状剥離
- 釘の腐食による屋根の欠落
それぞれについて詳しく解説します。
層状剥離
パミール屋根材の最も特徴的な劣化現象で、ミルフィーユ現象とも言われます。
これはスレートがミルフィーユのように層状にめくれ上がるということです。
築7〜8年ほどでこの症状が現れ始め、劣化が進んでいきます。
次に、劣化が進むことで先端部がボロボロと剥がれ始めます。
剥がれたパミールの破片がベランダや地上に落下します。
屋根材が剥がれると屋根の下地がむき出しになります。
この状態は雨漏りをしやすい状態となり、非常に危険です。
釘の酸化による屋根欠落
製造メーカーのニチハによるとパミールに使用されていたラスパート釘は、メッキ処理が薄いものが一部使用されていました。
つまり、酸化しやすく、これにより錆びることで釘が部分的に痩せ細ってしまいます。
釘がなくなるということは、パミールを止めておくことができなくなるということです。
釘が機能しなくなることで屋根がズレるだけでなく、甚大な被害につながる可能性があります。
例えば、台風時に強い風が吹くと屋根が飛び、周辺の建物や人に当たるなどの二次災害にもつながりかねません。
そのため、層間剥離が進行していない場合でも釘が腐食している可能性があるご住居は早急に対策をすることがおすすめです。
今日できる!パミールを見分ける2つの方法
屋根を見て層間剥離や穴が空いているなどが発生していると多くがパミールに当てはまると言えます。
しかし、これは屋根を登って確認しないといけないため、非常に危険です。
では、どうすればご住居の屋根がパミールであるかを見分けることができるでしょうか。
実は、ご住居の屋根材がパミールかどうかを見分ける簡単な特徴があります。
それは、以下の2つです。
- 凹凸が等間隔になっている
- ご住居が建てられた年代、仕様書を確認する
それぞれについて、詳しく解説します。
ここで、しっかり特徴を把握してぜひご住居の屋根を確認してみてください。
凹凸が等間隔になっている
スレートが使用されている屋根の場合、屋根先は凹凸の形をしています。
パミールの大きな特徴は、奥に引っ込んでいる部分の横幅と手前に出ている部分の横幅が等間隔という点です。
他のスレート屋根はこの横幅が均等になっていません。
仕様書を確認する
もし、ご住居の外部仕上げ表を確認できるのであれば、そこから確認ができます。
屋根の箇所から仕様と備考が記載されています。
備考部分を見ると認定番号が記載されており、これは以下の一般社団法人建築性能基準推進協会が提供する検索システムから調べることができます。
仕様書を確認するときの注意点として、検索した結果がパミールであっても実際には異なる材料を使用している可能性があることです。
そのため、仕様書の情報だけでなくできるだけ屋根に近いところから凹凸が等間隔になっているかも確認することをおすすめします。
塗装NG!パミールのメンテナンス2つの方法
屋根材のメンテナンス方法の一つに塗装があります。
しかし、パミールはこの塗装によるメンテナンスができません。
なぜなら、パミールの劣化現象は層間剥離によるものであるからです。
剥離してしまうものに上から塗装をしたとしても剥がれてしまうため修理しても無駄になってしまいます。
そのため、パミールを使用している屋根のメンテナンス方法は以下の2つになります。
- カバー工法
- 葺き替え
これらの修理方法について以降でお伝えします。
カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根材の上からルーフィング(防水)シート、軽い屋根を重ねる屋根修理方法です。
新しく被せる軽い屋根材は、主に金属屋根を使用します。
具体的に使用する材料は、以下です。
- ガルバリウム鋼板
- ジンカリウム鋼板
- アスファルトシングル
カバー工法のメリットは、既存屋根材を撤去・処分する費用を抑えることができることです。
そのため、一般的な屋根修理にはカバー工法が用いられています。
葺き替え
葺き替えとは、既存屋根を全て解体し、下地と瓦を新しく交換する工事です。
屋根修理として葺き替えを行うことで、新築時の状態にすることができます。
そのため、外観が綺麗になる、耐久性・耐災害性に優れた屋根になることがメリットです。
しかし、古い屋根を解体して新しい屋根にするため、工事期間が高く、修理費用も比較的多くなります。
また、現在は古い瓦から軽くて耐久性に優れた金属屋根にするご住居も増えています。
屋根修理を依頼するときは信頼できる業者に頼む
ここまで、パミールの危険性や見分ける方法、修理について解説してきました。
ご住居の屋根でパミールである可能性があるときは、早急に屋根修理を行うことをおすすめします。
ここで重要なのは、屋根修理を誰に頼むかということです。
屋根修理業者は、主に以下の3つに分類されます。
- 屋根修理専門業者
- リフォーム会社
- ハウスメーカー・工務店
修理費用をできるだけ抑えてご住居の寿命を長持ちさせるためには、屋根修理は専門業者に相談することをおすすめします。
なぜなら、人件費が比較的かからず、施工実績があるためそれまでの知識とノウハウから施工を行うことができるからです。
また、屋根修理を依頼するのが不安である方は無料相談や複数社で相見積もりを取ることもおすすめです。
まとめ
屋根材パミールについてパミールに見られる不具合や目視での確認方法、メンテナンス方法、誰に屋根修理を頼めばいいかについてご説明してきました。
いかがでしたでしょうか。
パミールは1996〜2008年に国内最大手の外装建材メーカーニチハが製造していたスレート屋根の一種です。
ノンアスベストの材料であったため、層状剥離や釘の腐食に関して不具合が見られ現在は製造を終了しています。
見分け方は、凹凸の横幅が均等であるかと屋根の仕様書を確認することです。
もし、ご住居でパミールが使用されている可能性がある場合は、早急に業者に屋根修理依頼することをおすすめします。
屋根修理の際には、専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
その理由は、人件費がかからないため修理費用を抑えることができ、住居を長持ちさせることができるためです。
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