外壁にツタを生やすメリットとデメリットを解説
2024/04/01
「外壁にツタを生やしたいけど、撤去時のことを考えると気が進まない。」
そう思うことありませんか。
外壁にツタを生やすことでお家がレトロな感じになり、とても魅力的です。
しかし、当然のことながらツタは植物なので日が経つと成長します。
そのため、放置していると無造作にツタが広がり、外観を汚してしまうかもしれません。
そこで今回は、ツタの導入を検討している人向けにぜひ知っておきたいツタのメリットとデメリットについて解説します。
ツタのリスクを知ったうえで導入することで、住居の外観をおしゃれに保つことができます。
外壁のツタとしてよく用いられる植物
まず前提として、外壁のツタにはさまざまな種類があります。
よく使用されるツタは以下の3つです。
・ヘデラ・カナリエンシス
・ヘデラ・ヘリックス
・ナツヅタ
ヘデラ・カナリエンシス
ウコギ科キヅタ属であるヘデラ・カナリエンシスは常緑のつる性植物です。
「オカメヅタ」や「カナリーキヅタ」とも呼ばれています。
葉は大きさ約20cmくらいの緑色で、先がとがった形をしているのが特徴です。
成長が早く、比較的管理がしやすいため一般的によく用いられている植物の一つです。
耐陰性や耐寒性があるため、0度以上であれば日陰または半日陰でもよく育ちます。
ヘデラ・ヘリックス
ヘデラ・ヘリックスはヘデラ・カナリエンシスと同様にウコギ科キヅタ属の常緑つる性植物です。
葉は大きさ約10cmくらいの明るい緑色で、やや細長い形をしています。
ヘデラ・カナリエンシスより成長は遅いですが、ヘデラ属の中では比較的早いです。
耐寒性に優れている特徴があるため、寒冷地でも育てることができます。
ナツヅタ
ブドウ科ツタ属のナツヅタは、落葉広葉樹に分類されます。
夏には緑色の葉がしげり、秋には美しい紅葉が見られ、冬には落葉してツルのみになります。
そのため、四季の移ろいを感じることができるのが特徴です。
また、比較的丈夫で成長もはやいため比較的育てやすいです。
日向または半日陰の適度に湿度のある環境を好みます。
住居をより魅力的にする！外壁にツタを生やすメリット3つ
外壁にツタを生やすことで得られるメリットは以下の3つです。
・心理的な癒し効果
・断熱効果による冷暖房負荷の軽減
・環境にやさしい
これらについて以降で詳しく説明します。
心理的な癒し効果
外壁にツタを生やすことは植物により美しい景観を作り出すことができます。
「疲れを感じたときに、自然に身を置いたらなんだかスッキリした」
そんな経験ありませんか？
実は、植物には、心身の疲れを癒して体をリラックスさせる効果があります。
研究結果からも、植物にはストレス緩和や集中力向上などの効果があると報告されています。
そのため、外壁がツタに覆われていることは心理的に良い影響を及ぼします。
冷暖房負荷の軽減
外壁が植物で覆われていると夏場には、
・日射遮蔽効果
・植物の蒸散により発生する気化熱
・断熱効果
により壁面の高温化を抑えることができ、室内の冷気を逃がさず保つことができます。
また、常緑種の場合は冬場にも断熱効果が期待できます。
これにより室温を一定に保つことができるので、ツタがない外壁と比べると冷暖房に負荷がかかりません。
つまり、エネルギーを抑えることができて電気代の節約になるということです。
環境にやさしい
植物は光合成を行い、二酸化炭素を酸素に変える性質があります。
二酸化炭素は世界的に問題とされている地球温暖化の原因物質の一つです。
そのため、環境に配慮するという観点からも外壁にツタを生やすことは大きなメリットになります。
また、日本の一部地方公共団体では、制度により一部助成金が出ることもあります。
このことから、建物の緑化は環境問題対策として重要な手段と言えます。
検討時に必ず知っておきたい！外壁にツタを生やすデメリット4つ
前節では、外壁にツタを生やすメリットについて解説しました。
しかし、外壁のツタは住居や近隣に悪影響を及ぼす可能性があります。
この節では、外壁にツタを生やす以下の4つのデメリットについて解説します。
・定期的なメンテナンスが必要になる
・建物に負荷がかかる
・害虫被害を受ける
・ツタの除去が難しい場合がある
定期的なメンテナンスが必要になる
当然ながら、ツタは植物なので成長します。
そのため、維持管理が非常に重要です。
定期的にメンテナンスを行わないと、
・ツタが生えすぎて外観を汚してしまう
・外壁だけでなく、窓も覆ってしまう
・落葉して雨どいを詰まらせる
など住居への悪影響を及ぼすだけでなく、近隣住民からのクレームにつながりかねません。
しかし、一般的に外壁に用いられるツタは成長速度が早いものがほとんどです。
そのため、長期的にメンテナンスができる場合に取り入れることをおすすめします。
建物に負荷がかかる
ツタが成長して、
外壁、目地、雨どい、室外機などに根を張る可能性があります。
これにより、
・外壁や目地がツタの水分で湿って雨漏りの原因や建物の耐久性の低下
・雨どいや室外機の破損
につながりかねません。
特に、建物の築年数が20年以上の古くなった建物や構造が弱い建物では注意が必要になります。
また、一度外壁にツタを生やすと外壁の塗装やその他メンテナンスをするのは難しいです。
そのため、ツタを生やすときは慎重に考えてから導入することをおすすめします。
害虫被害を受ける
ツタの放出する物質に引き寄せられて、ハチや虫が寄ってきます。
他にも、湿気でカビやダニなどの害虫が繁殖する可能性があります。
カビやダニの繁殖は、シックハウス症候群など居住者の健康被害につながりかねません。
そのため、導入後には薬剤を使用して害虫を駆除することが必要です。
しかし、外壁のツタが広範囲に生えていると薬剤をまく際に、近隣にも影響を及ぼすかもしれません。
そのため、使用する際は周辺へ配慮して行うことが重要です。
ツタの除去が難しい場合がある
一度ツタを生やしてしまうと根が外壁に強く張り付いて除去するのに時間がかかることがあります。
除去方法としては、
・直接手作業で剥がしていく
・バーナーやライターでツタをあぶって剥がしやすくして除去
・根本に除草剤を撒いて成長を止めてから除去
があります。
しかし、どれも一人でする場合、非常に大変な作業です。
また、専門知識がないまま作業しても、外壁に残っていた根から再びツタが生えてくるかもしれません。
そのため、ツタの除去は専門業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
今回は、外壁のツタの導入を検討している人向けにツタを生やす際のメリットやデメリットについて解説してきました。
いかがでしたでしょうか。
外壁にツタを生やすメリットとして、ご自宅がおしゃれになるだけでなく
・心理的な癒し効果
・冷暖房の節電効果
・環境への配慮
の3つの効果があります。
しかし、メリットだけではなくツタを生やす場合は以下の4つのデメリットがあります。
・定期的なメンテナンスが必要になる
・建物に負荷がかかる
・害虫被害を受ける
・ツタの除去が難しい場合がある
導入する際は以上のメリットとデメリットを知った上で検討することをおすすめします。
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