メンテナンスが必要なスレート屋根の劣化状況と修理方法
2023/09/04
「スレート屋根に劣化が見られるからメンテナンスしたほうがよい」と言われたけど、劣化とは一体どんな状態なの?
と疑問に思ったことはありませんか?
外壁の塗装の劣化や破損は目視で確認することはできますが、屋根だとなかなか確認する機会はないし、そもそも劣化している状態なんて、どのような状態かわかりませんよね?
そこで、今回は、メンテナンスが必要なスレート屋根の劣化状況について解説します。また、劣化したスレート屋根の修理方法や注意点についても解説しますので、スレート屋根のメンテナンスを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
メンテナンスが必要なスレート屋根の劣化症状
ここでは、メンテナンスが必要な状態のスレート屋根の劣化症状をご紹介します。
スレート屋根に見られる劣化症状を知っておくことで、早期発見、適切な修理が可能となりますので、理解しておきましょう。
色あせがみられる
スレート屋根は15〜20年程度の耐久性はありますが、屋根は日々紫外線や雨風にさらされています。スレートの光沢がなくなってきたり、変色してきている場合は、メンテナンスが必要な時期に来ています。
放っておくと、破れやはがれにつながり、雨漏りの原因にもなりますので、業者に点検を依頼するようにしましょう。
コケやカビが繁殖している
色あせを放置すると防水効果が低下し、雨水がたまりやすくなります。
雨水がたまると湿気も多くなるため、コケやカビが発生しやすくなります。
コケやカビは見た目が悪くなるだけでなく、劣化も早まってしまいますので、できるだけ早く業者へ依頼して補修してもらうようにしましょう。
凍害している
凍害(とうがい)とは、屋根材の中に染み込んだ雨水が、気温が下がることで凍り、体積が膨張することで、傷やはがれを大きくしてしまう現象のことです。
この現象が長い間、凍結や融解(溶けて液体になること)することで、徐々に屋根材が劣化していきます。金属屋根に交換や塗装をすることで対策は可能です。
ひび割れや欠けがみられる
台風や強風などの飛来物によって、スレートがひび割れたり、欠けたりすることがあります。膨張や収縮することでもひび割れは発生します。スレート屋根にひび割れや欠けが発生した場合は、新しいスレートに交換が必要です。
スレートの反りやはがれがある
水分を含んだスレート屋根は、膨張と収縮を繰り返すことで反りがでてきます。反ってしまったスレート屋根は、元には戻らないため交換が必要になります。はがれてしまったスレートも同様に交換です。
棟板金が劣化している
スレート屋根以外にも見落としがちなのが、棟板金(むねばんきん)です。
棟板金は、屋根の頂上にある屋根材で、屋根材と屋根材が重なる部分の隙間を埋め、隙間から雨水が入らないようにする役割をしています。
この棟板金を固定しているクギも、劣化すると抜けやすくなります。
緩んで隙間ができたり、抜けてしまったりすると、そこから雨水が浸入し雨漏りにつながります。スレート屋根の点検の際は、棟板金の状態も一緒に見てもらうようにしましょう。
棟板金についての解説記事は以下でも解説していますので、ぜひご覧ください。
スレート屋根を長持ちさせる方法
ここでは、スレート屋根を長持ちさせる方法について解説します。
5〜7年ごとに定期点検する
スレート屋根自体は15〜20年程度の耐久性がありますが、より長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。塗膜の劣化や、コケやひび割れに関しては、7〜10年経過すると症状が現れてきます。
もちろん、お住まいの気候などの環境にもよりますが、目安として5〜7年ごとに専門業者に定期点検してもらうようにするとよいでしょう。
点検の際は、一緒に屋根の状況の写真を撮ってもらうようにすると、より屋根の状態を把握できます。
塗装する
スレート屋根は原材料であるアスファルトの高い耐水性や、高い接着強度によって、雨風から守っています。より長持ちさせるためには、塗装はひとつの方法です。
塗装は防水性を高めます。塗装をすることで雨水を弾くようになるため、屋根の耐久性を上げることになります。
スレート屋根の修理方法
ここでは、スレート屋根の修理方法について解説します。
部分的な補修
スレートのひび割れや欠けなどは、シーリングで割れを補修したのち、接着剤での貼り付け作業となります。はがれてしまっているスレートは交換となります。
また、棟板金の劣化に関しては、クギの交換や棟板金自体の交換作業になります。
クギは補修の際、ステンレス製に交換することでサビに強くなり、耐久性も上がるため交換をおすすめします。
費用は、シーリング補修や交換(1枚あたり)などで1〜4万円程度です。
塗り替え
スレート屋根は防水塗装することで、屋根の耐久性を高められます。
塗り替え用の塗料は、メーカーによって指定または、推奨する塗料があるので注意しましょう。塗替え後は、防藻性能が失われる場合もあります。
費用の目安は30〜80万円です(塗装の種類・グレードや坪数によっても費用は異なります)。
また、スレート屋根の中には塗装ができないスレート(パミール、レサスなど)や、塗装をおすすめしないスレート(コロニアルNEO、グリシェイドNEO、アーバニーなど)もあるので注意が必要です。
カバー工法
スレートの欠けやはがれが多く目立つようになってきたら、スレート屋根の寿命が来ていると考えられます。寿命が来ている場合は塗装で補修することが難しいため、カバー工法にて修理をします。
カバー工法は、すでにある屋根材の上から新しい屋根材で覆う(カバーする)工法のため、葺き替え工事よりも費用を抑えられます。
ただし、雨漏りが発生している場合は、根本的な解決にはならないため、葺き替えをおすすめします。
費用は1平方メートルあたり7,000〜8,000円となり、40坪であれば90〜110万円程度です。
葺き替え工事
スレート屋根の劣化が激しい、すでに雨漏りが発生しているのであれば、カバー工法での解決は難しいため、葺き替え工事になります。葺き替え工事は、今ある屋根材をすべて撤去してから新しい屋根材を設置しますので、屋根が原因で発生している雨漏りは解決します。
軽量な屋根材や遮熱性の高い屋根材を設置すれば、耐震性の向上や遮熱性能が向上することで、光熱費が抑えられるなどのメリットもあります。葺き替え工事は、すでにある屋根材の撤去費用、処分費用なども加わるため、カバー工法よりも費用が高くなります。
費用は1平方メートルあたり10,000〜15,000円となり、40坪であれば130〜200万円程度です。
スレート屋根をメンテナンスするうえでの注意点
ここでは、スレート屋根をメンテナンスするうえでの注意点について解説します。
放置すると劣化が早まる
スレート屋根に限らずですが、屋根自体に劣化が見られるようであれば、状況に応じて点検や修理を、早め早めを意識して行うことが大切です。
スレート屋根は15〜20年程度の耐久性がありますが、環境によって異なる場合もあります。日照時間が長い地域であれば、紫外線にさらされる時間が長くなり塗膜の劣化も早くなります。台風の多い地域であれば、強風などで飛来物によって傷つけられることも多くなるでしょう。
大切なのは、日々屋根の状態を意識することです。天井からの雨染みや室内の湿度の変化、外から見た屋根の変化などを気にしてあげるだけでも違います。
定期的に目視で確認することに加え、5〜7年程度を目安に専門業者への点検をすることで、屋根の傷みや雨漏りの早期発見ができ、適切な処置ができます。
DIYでは修理しない
劣化したスレート屋根は、DIYでの修理はしないようにしましょう。
専門知識や技術がない状態で行うと、かえって被害が大きくなる可能性もあります。
また、屋根の場合は、高所での作業となるため、転落してしまうなど大怪我をする可能性もあります。最悪の場合は転落死の危険性もあるため、修理は専門の業者へ依頼するようにしてください。
ご自身でできる範囲としては、目視での確認に留めておいてください。
天井から水滴が垂れているなどの場合は、床にバケツや吸収シートなどの応急処置をしておきましょう。
具体的な応急処置については、以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
まとめ:スレート屋根の修理は伊藤工芸へ!
スレート屋根の劣化状態は以下の6つです。
- ・色あせがみられる
- ・コケやカビが繁殖している
- ・凍害(凍結によって体積が膨張し、より傷が大きくなっている)している
- ・ひび割れや欠けがみられる
- ・スレートの反りやはがれがある
- ・棟板金が劣化している
上記のような現象が見られた場合は、メンテナンスが必要です。
メンテナンスについては、以下の4つがあります。
- ・部分的な補修する
- ・塗装する
- ・カバー工法の工事をする
- ・葺き替え工事をする
カバー工法や葺き替え工事は、大掛かりな工事となり、修理費用が90〜200万円と高額になってしまいます。そのようにならないためには、5〜7年程度に定期的に点検を行い、日々チェックすることが大切です。
定期的な点検は屋根工事の専門業者へ依頼するようにしましょう。
伊藤工芸は、屋根工事や雨漏り修理専門の業者です。
その他、外壁塗装やリフォーム工事まで幅広く対応しております。スレート屋根工事に関しても、お客様のご予算など、ご要望に合わせた提案も可能です。
浜松市でスレート屋根のメンテナンスをお考えの方は、お気軽に伊藤工芸にご相談ください。