アスファルトシングルとはどんな屋根材？特徴やメリット・デメリットを解説
2023/08/24
「アスファルトシングルはどんな屋根材？」
「アスファルトシングルにするとどんなメリットやデメリットがあるの？」
「アスファルトシングルにはどのような種類があるの？」
このような疑問はありませんか？
アスファルトシングルはガラスマットにアスファルトを染み込ませてできる屋根材です。アメリカでは一般的な住宅で広く使われており、近年日本でもデザイン性や防水性に優れていると人気を集めています。
しかし、実際のところ、耐久性や施工費用、メンテナンス性は気になるところですよね。
そこで、今回は、アスファルトシングルの特徴やメリット・デメリットについて解説します。その他、メンテナンス方法についても解説しますので、屋根材のメンテナンスを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
アスファルトシングルは雨漏りに強い屋根材
アスファルトシングルとは、屋根材に使われる建築材のひとつです。
ガラスマットなどの無機質繊維を主原料とした不織布原反に、アスファルトを染み込ませて、表面に砂（焼成彩色砂または天然スレート砕石）と鉱物質の粉末を密着させたものです。
アメリカで屋根材といえば「アスファルトシングル」と言われるほど広く普及している屋根材です。
アスファルトシングルの特徴
アスファルトシングルの特徴としては、原料のガラス繊維とアスファルトは防水性が高く、雨漏りに強い屋根が作れることです。また、原紙が紙であるため、柔軟性があります。そのため、軽量かつ加工がしやすく安価に作れるのも特徴のひとつです。
【耐用年数】
耐用年数は、メーカーによって多少異なりますが、おおよそ20〜30年程度の耐久性があります。
【単価費用】
単価費用としては、これもメーカーによって異なりますが、5,000〜9,000円／平方メートルが一般的です。
アスファルトシングルの代表的メーカー
ここでは、アスファルトシングルの代表的な商品を紹介します。
シングルライン マスター
シングルライン マスターは、丸鹿セラミック株式会社が販売するアスファルトシングル材です。グラスファイバーによる機能性と耐久性を持ちながら、木造やスレート葺き屋根の伝統を再現した意匠性も兼ね備えています。
1平方メートル当たり13.5kgと軽量のため、耐震性にも優れています。
単価は、8,800円／平方メートルです。
アルマ
アルマは、ニチハ株式会社が販売するアスファルトシングルです。
ニチハのアスファルトシングル「アルマ」は、ラテン語で「鎧（よろい）」を意味しています。優れた耐久性と柔らかく素材感のあるデザインで洋風スタイルはもちろん、和風スタイルにも調和するデザインが特徴です。
カラーバリエーションは、5種類展開しています。
また、アルマは他の屋根材に比べ、原材料取得から廃棄までの過程で出るCO2の排出量が少ないため、環境にも優しい屋根材です。
弊社でもアスファルトシングルを施工時はこのアルマを採用しております。
単価は、5,460円／平方メートルです。
オークリッジスーパー
オークリッジスーパーは、オーウェンスコーニングジャパン合同会社が販売している、高い意匠性と軽量性を兼ね備えた屋根材です。
従来のアスファルトシングル材とは異なり、高耐久のファイバーグラスマットを芯材とする2層構造となっており、極めて高い耐久性と高い意匠性を実現しています。
さらに、海外製品としては初となる、日本の屋根の飛び火認定試験に合格した屋根材でもあります。
単価は、8,000円／平方メートルです。
ファイバーグラスシングル リッジウェイ
旭ファイバーグラス株式会社のファイバーグラスシングル リッジウェイは、アスファルト基材とファイバーグラスマットで作られているため、水分を含んでおらず防水性に優れています。
重量に関しても瓦の約1/4、スレートの約1/2と他の屋根材に比べて軽量なのが特徴です。
さらに、耐風性にも優れており、風速38m/sに耐える標準仕様と、風速46m/sの強風にも耐えられる強風仕様がラインナップされています。
単価は、約7,579円／平方メートルです。
SHINGLE（シングル）
田島ルーフィング株式会社のSHINGLE（シングル）は、周囲の屋根とも調和し、ソフトで気品ある質感を持った屋根材です。薄くて軽い特長から、マンションや集合住宅、商業施設でも広く使われています。
表面を焼成彩色砂で仕上げた「シングル」と、天然石の砕石粒による重厚感を持つ「ロフティー」の2種類を展開しています。
単価は、11,000円〜／平方メートルです。
ロアーニ2
ロアーニ2は、SHINGLE（シングル）同様、田島ルーフィングが販売しているアスファルトシングル材です。発売されて60年の歴史を持つSHINGLE（シングル）を、戸建て住宅用に開発・改良したものが「ロアーニ2」です。
ロアーニ2の特徴は、プレセメント加工されていることです。
プレセメント加工とは、シングルセメントを本体に塗布する工程をあらかじめ工場で施工することです。この加工をすることで、接着力がより強力になり、地震や強風にも負けない屋根材に仕上げられます。
単価は、7,500〜9,200円／平方メートルです。
アスファルトシングルのメリット
ここでは、アスファルトシングルのメリットについて解説します。
雨漏りに強い
アスファルトシングルは、雨漏りに強いことです。
素材であるガラス繊維とアスファルトは防水性があり、接着剤で屋根に貼り付ける方法のため、釘穴や隙間から雨水が入り込みにくい構造により、雨漏りが起きにくいといえます。
デザイン性に優れている
アスファルトシングルは、表面に吹き付けられている石粒によりさまざまな色を表現できます。和洋どちらにも合わせやすく、デザイン性に優れています。
ひび割れやサビに強い
アスファルトシングルは、シート状で柔軟性もあるため、ひび割れがありません。また、アスファルトを原料としているため、サビにも強いことがメリットです。
軽量で耐震性に優れている
アスファルトシングルは、軽量であることもメリットです。屋根瓦の約1/5の軽さであるため、耐震性に優れています。地震大国である日本の環境にも適しているといえます。
アスファルトシングルのデメリット
ここでは、アスファルトシングルのデメリットについて解説します。デメリットを知っておくことで、後悔のない屋根材選びができます。
軽量ゆえに強風に弱い
アスファルトシングルは、軽量がメリットでもありますが、軽さと接着剤で固定する方法のため強風などではがれたり、めくれたりすることがあります。強い風が起きやすい地域の方は、強風仕様のアスファルトシングルを使うのがよいでしょう。
コケやカビが生えやすい
アスファルトシングルは、表面に凹凸があるため水がたまりやすくなります。そのため、湿気が起きやすくコケやカビが生えやすくなります。定期的に洗浄や塗装などのメンテナンスが必要になります。
施工する屋根が限られる
アスファルトシングルは、表面の凹凸により水がたまりやすい構造のため、低勾配の屋根には施工できない場合があります。一般的なアスファルトシングルの製品は、勾配が3.5寸〜27.5寸（約20度以上〜70度以下）に施工するよう指定されているのがほとんどです。
表面の石粒がはがれやすい
アスファルトシングルの表面には細かい石粒が吹き付けられています。石粒が経年劣化によって、はがれ落ちてしまうことがあります。
アスファルトシングルのメンテナンス方法
ここでは、アスファルトシングルに関してのメンテナンス方法について解説します。
部分的な補修工事
一部分がめくれている、または、はがれている程度であれば、部分的な補修が可能です。
補修費用は、1枚あたり4,000〜10,000円程度です。
部分的な劣化でも、そこから雨漏りにつながることもありますので、放置せずにしっかり補修するようにしましょう。
塗装工事
アスファルトシングルは、塗装が必要ない屋根材ではありますが、塗装することもできます。塗装することで、見た目も綺麗になりますし、防水性能も復活します。
色あせや石粒のはがれが気になる方は塗装するとよいでしょう。
塗装の費用は、40〜60万円程度です。
屋根カバー工法
屋根の下地材が劣化していないのであれば、屋根カバー工法で補修は可能です。
屋根カバー工法は、もともとある下地材や屋根材の上から覆う（カバーする）工法のため、下地材や屋根材の廃材が出ず、撤去費用もかからないため、比較的安く済みます。
屋根カバー工法の費用は、100〜150万円程度です。
屋根葺き替え工事
下地材も劣化している場合や、すでに雨漏りしている場合は、屋根葺き替え工事でのリフォームが必要です。屋根葺き替え工事は、すでにある下地材と屋根材すべてを撤去して、下地から作り直す工事です。雨漏りが起きている場合は、根本的な解決になります。
屋根葺き替え工事の費用は、130〜250万円程度です。
アスファルトシングルの施工実績
伊藤工芸で行ったアスファルトシングルの施工実績をご紹介します。
雨漏りしていた屋根をアスファルトシングルでカバー工法
| 現場住所 | 浜松市南区 |
|---|---|
| 施工内容 | 雨漏り修理〈スレート屋根カバー工法〉 |
| 使用屋根材 | アスファルトシングル〈アルマ〉 |
こちらのお客様は、天井から雨漏りがしており、住んでいない家なので費用をかけずに修理したいとの事でした。
調査の結果、既存のコロニアル屋根の劣化により雨漏りが起きていることがわかりました。
今回はお客様とご相談を重ねた上、カバー工法にて雨漏り修理をいたしました。
施工実績の詳細は下記をご覧ください。
まとめ：アスファルトシングルをご検討の方は伊藤工芸へ！
アスファルトシングルは、デザイン性に優れているだけでなく防水性が高い屋根材です。ガラス繊維でできたマットに、アスファルトを染み込ませているため防水性に優れています。
さらに、接着剤で屋根に貼り付ける構造のため、隙間から雨水が入り込みにくく雨漏りにも強い屋根材です。雨漏りに強い屋根材をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
伊藤工芸は、アスファルトシングルも扱っており、雨漏りについての知識も豊富にございます。雨漏り修理のご相談に関しても、お客様のご要望に合わせた提案も可能です。
浜松市で雨漏りについてのメンテナンスをお考えの方は、お気軽に伊藤工芸にご相談ください。
